日本語     English

#450 21/10/04

アン・リンドバーグ著の「海からの贈り物」

いつものようにインターネットで書籍のサーフィンをしていたら、あの有名なリンドバーグ飛行士の奥方がある書物をかいているのを発見した。早速アマゾンに注文したのが今日「多田野」の手元に届いた。書物のタイトルは「海からの贈り物」という。早速読了したのが今日である。


Jp450

著者は最初から言う。

「ここに書いたのは、私自身の生活のありかた、またその生活や、仕事、付合いのつりあいの取り方について考えてみるために始めたものである。そして、私はものを考えるときは、鉛筆を片手にもって持っていたほうがいいので、いつの間にか書き出した。そのようにして、私の考えが紙の上で形を取り始めたのであるが、始めのうちは、私は自分が経験したことが他人のとは違っているという気がしていた(私たちは皆そういう感じを持っているのだろうか)。というのも、私はある意味では他人よりも自由な、そして、ある意味ではもっとずっと不自由な境遇におかれていたからである。

「それに私は、女というものが皆新しい生活を求めたり、自分一人でものを考える場所を欲しがっているわけではなくて、多くは自分の現在の生活で満足しているのだとも考えた。そしてその人々が送っている生活から受ける印象では、非常にうまくわたしなどよりうまくやっているという感じがした。私はそういう人々が何も滞りもない日々を過ごしているのを見て、うらやましく思いもし、感嘆もした。この人々にとって問題などはなくて、あるいはあったにしても、それはとっくの昔に解決しているに違いなかった。そんな次第だったから、私は自分が考えていることは、私自身にしか価値も興味もないものと決めた。

「しかし私は書きながら、他の色々な女性、———年取った人や、若い人や、そして生活の仕方や経験の点でも皆違っていて、自活しているのや、職業婦人になりたいのや、妻、あるいは母として多忙な暮らしをしているのや、もっと余裕があるのや−−−そういう色々な人々と話をしてみて、私の考え方が決して私だけのものではないことが分かった。その形式や環境は違っても、多くの女性が、そして女性が、そして女性だけねなく男性も、本質的には私と同じ問題と取り組んで

いて、それにはどういう解決があるかについて一緒に話もし、考えたがっているものだった。また、時計のように正確に歯車が回っているとしか思えない生活をしている人々のなかにも、もっと豊かな休止がある律動を、またもっと自分たちの個人的な要求に適った生き方を、そしてまた、他人、及び自分自身にたいしてもっと新しい、有意義な関係に立つことを望んでいる点では、私と変わらないものが少なくなかった。

「そういう訳で、色々な女性や男性の話や、議論や、告白から得た材料が以下のいくつかの文章に加えられていくうちに、それはもう私だけの個人的な話ではなくなり、私はこれを、そこに書いてあることの多くを私と分け合い、またそれを暗示してくれた人々にお返しすることにした。それで私はここに、私と同じ線に沿ってものを考えている人々に対する感謝と友情を添えて、海から受け取ったものを海にかえす。

言うまでもなく、アン・リンドバーグはアメリカ・ニュージャージー生まれ。スミスカレッジ卒業。父親がメキシコ大使を勤めていたときに、親善訪問した史上初の大西洋単独横断飛行の成功者チャールズ・リンドバーグと知り合い、結婚。自分自身も飛行機を操縦し、夫とともに飛行したときの記録やリンドバーグ家の資料として貴重な日記、書簡集を発表している。1906年生まれ、死去は2001年。

つい先日のような気がする。惜しい人を失った我々である。特に、わが国の女性にとっては惜しい人である


前のページへ     次のページへ

〒435-0026      静岡県浜松市南区金折町733-2    TEL: 053-443-8450    FAX: 053-443-8491

© 2015 Uni-Vite JAPAN LTD, All rights reserved.