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#388 12/09/03

三匹のクローン子豚の悲しい死

2003年9月6日付け「ニューサイエンテイスト」誌の12ページに三匹のクローン子豚の悲しい死についての記事がある。まず、その記事の紹介をしよう:

『クローン動物にありがちな予期せざる健康問題として、最近心臓発作によって死亡した三匹の子豚が話題を集めている。クローンは各種の疾病を生み出すが、問題は予期できないことと、各種の臓器に発生することである。新しいテクニックによって豚のクローンは特に心臓疾患が多いことが判明した、とコネチカット大学のヤン教授によって発表されたという。なお、同教授は子豚をクローン技術で生み出した研究チームのリーダーをしていた人物である。

『これら子豚は6ケ月目に突然死を迎えるまでは完全に健康であった。事実、アヤンとそのチームは今月発表予定の学術紙にクローンではあるが完全に正常であると記述される予定であった。「これら3匹が死んだのは劇的であると同時にショッキングでした」とヤンは云う。

『三匹が生まれた雌豚には心臓疾患の兆候はまったくなかったという事実は、三匹が母親から何らかの遺伝的要素は受けなかったと考えられる。また、子豚たちはそれぞれ異なる代理母から生まれたもので、母親の豚にも妊娠期間中になんらの異常も見られなかった。従って、死に至るには、クローン技術上のトラブルがあったという疑いが濃くなっている。

『クローンの際に、何らかの遺伝的物質が剥ぎ取られたものと思われる。その際、卵子のタンパク質がドナーの細胞の遺伝子が再プログラムされ、胎芽を発達させたように思われる。しかし、ドナーと卵子を融合させて、それをドナー細胞の核を卵子に注入する手法がとられた。ヤンのチームはドナー細胞全部を卵子に注入したのである。

『ヤンは云う、「この手法は二つの細胞を融合させるのに最も簡単かつ効果的な方法です」と。この手法によって四匹の子豚を誕生させたときは、チームとしては完全に成功したと発表された。四匹のうちの一匹は誕生後数日で感染症によって死亡したが、それはクローン動物にはよくあることである。ともかく、こうして三匹とも死亡したのである。

『良いニュースとしては、他のクローン手法と違って、この手法では、何度も何度も同じ問題が起こることだ。だから、問題の本質が見えてきて、解決法も見えてくるということである、とヤンは云う。

『ヤンのチームは、心臓形成の時点で遺伝子が関係するかどうかを、クローンの体組織からすでに発見している上に、また心機能が影響されたことも発見している。

『コネチカットの生化学専門の会社「ヘマテイック」社の専門家ジム・ローベルは、この問題は、ヤンのチームがドナーとして使った皮膚の細胞にあった、と見ている。

『ドナーとして使う細胞は、手法のいかんを問わずうまくいく場合もあり、またうまく行かない場合もあるとローベルは云う。そして、これら三匹の場合はたまたまうまくいかなかった例である、とも言う。

さて、「老生」にはこの死の理由については全く知識がない。ただ、感じるのはこれがいわば人間の傲慢さがもたらしたものであろうという点である。これこそ神の領域に土足で踏み込んだ感じがする。

そもそもこれら研究者に科学の名のもとにこのようなクローン実験をすることは、そもそも始めからなかったのではないかと考える次第である。


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