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#377 16/07/03

素人のように発想し、玄人のように実行する

友人の友人がアメリカのカーネギーメロン大学の教授をしている。この人物が最近日本語で単行本を出版した。友人が購入して送ってくれたので、早速読了した。題名からして、筆者が常々感じていながら、うまく口で言えない思いを見事に代弁してくれていたのである。

この教授はコンピューターのソフトウエア関係が専門で、無論その専門分野の記述が多い。どうせその部分は筆者には理解不能なことなので、そこは読み飛ばしてしまった。しかし、その専門研究の過程から彼が到達した哲学の部分はよくわかる。そして、筆者は「わが意を得たり」の気分で一気に読了した。

ビジネスにおいて、筆者はいつも発想は素人的なほうがよいと思っている。そしてそのように実行してきた。多くのビジネスマンは、その部分でプロを自認する。そして不必要に物事を複雑に考える。そうすると仕事はけっしてうまく進まない。

素人の新鮮な発想ほど面白いのである。素人は平気で『突拍子もないこと』を考える。突拍子だからあまり他人が真似ができないのが普通である。しかし、その発想の実行に当っては、全身全霊で各人の持つ『プロフェシナリズム』を発揮しないと実行はおぼつかない。その点は言うまでもなかろう。

よく筆者は「仕事は難しいほど面白い」と言うが、この素人と玄人の組み合わせが、非常に面白いのである。どちらに偏っても難しい。まことに微妙なバランスが必要で、これは口で説明するのは殆ど不可能である。体験するしかない。これを他人に伝授するには、その昔の住み込みの丁稚奉公しかないのではないかと一種の絶望感を持ち始めていたところに、この教授の書物が現れたのである。

筆者にとってこれはまさに「地獄で仏」である。すくなくとも文字の読める人(現在の日本で読めない人を発見するのは至難の業であろうが)は読むことはできる。しかし、本当にこの教授の言われることを理解できるか、となると相当難しいであろう。いわんや、その通りに実行できる人となると、宝くじに当るぐらいに難しいであろう。

この教授は現在アメリカ在住である。教授のホームページを覗いてみたが。研究論文の題名を見ただけで、卒倒しそうになった。パソコン音痴の筆者にはチンプンカンプンでとても理解は不可能である。

無論、筆者が教授の研究内容を理解する必要は全くない。底に流れる思想を理解すればそれでよいのだ。その思想はまさに上記した教授の単行本にあるとおりであり、その点では、筆者は教授の思想を理解するだけでなく、同士意識さえもつのである。教授は迷惑と思われるかも知れない。しかし、同士意識とは本来勝手なもので、相手が同意するか否かには関係なく、一方的に感じるものである。勿論、同意があったほうが良いことは言うまでもないが。

密かな同志が、ある偶然から出会って、『類希なる紳士同盟』(ショーン・コネリーの最新映画で、筆者はその日本公開を待ち焦がれている)のように同感の祝杯をあげることが出来ればなおよろしい。

それにしても、同教授と筆者は意見共通するところが多いのには驚く。恐らく

教授の血液型は筆者と同様にB型ではないであろうか?血液型によって同類とかなんとか言うのはどうも日本特有の現象らしい。筆者のイギリスのパートナーに血液型をきいたが、「それは何だ」という返事がきた。要するに日本人のようには血液型には関心がないのである。万一の事故の際に必要な、医学的な意味での血液型は、例えばアメリカの兵士がイラク出征の際には、ぶらさげた首輪に書いてあるはずである。しかし、血液型による性格分析は一般的ではないようである。

この教授の名前は『金出武雄』という。書物の題名は『素人のように考え、玄人として実行する』である。出版社はPHP研究所であり、価格については筆者は知らない。知人が買って送ってくれたものだから。通常は、価格はカバーに書いてある。だが、筆者は書物を購入したら即時書店でカバーを捨ててもらう。これは貰った書物でも同じである。ゴミを少なくても自宅に持ち帰りたくないからである。

書店で捨てても自宅で捨てても、ゴミの総量に変化はない。従って、地球環境には全く関係ない。自分で捨てるのが面倒なだけである。筆者のエゴイズムである。

本来はこういう書物はベストセラーにならねばならぬが、目下のこの国では無理であろう。真に残念なことである。せめてこの『多田野年頼』のサイトで宣伝をさせて頂こう。


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