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#224 10/01/01

死にたくなったら病院へ行きなさい

昨年の大晦日の英文読売を読んだ。前号で書いたように、ちょうどその日はオークランドに着いた日の日付である。埼玉県のある病院に起こった信じられないようなスキャンダルの記事を発見したので、それを下記に引用する。

「埼玉県の職員によれば、埼玉県昭和町の朝倉病院が一年の長い期間に同病院患者70名のうちの40名の死に責任があると判明した。処置がわるくて血行障害が原因と考えられている。

「この病院は精神科と内科を専門とするが、経静脈栄養法(IVH)による治療の割合が大方の病院と比べると異常に多いことが判明したものである。

「職員によると、県がこの242ベッドを持つ同病院で昨年11月から数えて1年間に死亡した77名の患者の治療記録を調べた由。

「IVHを行う場合の通常の手順は、患者の鎖骨に近い胸の部分を切開して、そこにポリエチレンの管を挿入し、グルコースなどの栄養を静脈から直接血流に与えるものである。

「県がこの病院が行った治療の詳細と、死亡と治療との関係の調査に乗り出す計画である。IVHの不適きな投与は血行障害を起こすと考えられているからである。

「東京都によって運営されている府中病院の前院長であるIVHの専門医師小野寺時雄氏によれば、不適当な処置をした場合、IVHは切開部分の感染によって致命的な血液毒を誘発することがあり得る、と言う。

「更には、血糖値その他いくつかの項目のチェックを怠った場合には、患者が栄養素の高カロリーによって糖尿病になる可能性がある。小野寺医師の言では、いずれも血行障害のいくつかの形と考えられているとのことである。

「県の職員の言では、この病院の看護婦は2階の患者の約半数にIVHをするように命じられていたとのことである。77件の死亡のうち69名の患者がIVHを受けており、そのうちの数名はIVHの必要がなかったとのことである。

まったく何という病院であろうか?まことに信じがたい事件である。なにもここでわざわざ「老生」が言うまでもなく、病院とは病気の人々を治療するところである。患者が殺されるところであっては断じてない筈である。IVHも病人を救う手立ての一つである。それがこの病院はおそらく儲け主義からIVHを安易に使ったのであろう。まことに恐ろしいことである。せめて「老生」としてはこういった病院がこの国にはびこらないことを願う者である。殺すことを目的として行ったわけではないであろうが、職務怠慢であることは間違いない。

この病院の医療ライセンスは即刻取り上げるべきであろう。さらに「老生」の意見としては、地方検察がこの病院を犯罪として捜査すべきである。もしこの病院の責任者が逮捕されないとしたら、「老生」には理解し難いことと言わざるを得ない。これは犯罪というべきと「老生」は考えるが、読者のご意見はいかがであろうか?

この事件はアメリカの現役医師ロバート・メンデルゾーンによって書かれた日本語で『異端医師の告白』とでもいう題の書物を思い出させる。この書物のなかで同医師は繰り返して病院には行くなとアドバイスしている。ページのほとんどが読者に『病院には行かぬ方がよろしい』という内容である。この書物を読んだときに「老生」は、少々言いすぎではないかと感じたものである。しかし、今この事件の記事を読むと、この著者の言に納得する次第である。

読者諸賢よ「死にたくなったら病院へ行こう!」ではないか!


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