日本語     English

#221 27/12/00

毒素性ショック症候群が日本で増加中

毎度このページに引用する英国の「ニューサイエンテイスト」誌#2270(12月23日号)が「老生」のデスクに届いた。いつものように、早速興味を引く記事の有無をチェックしたところ、面白いと同時にショッキングな記事を発見した。同誌の9ページである。内容は日本で毒素性ショック症候群(TSS)が増加しているというのである。書き手はジョナサン・ナイトという人物である。

まずは、例によって、その記事の紹介から始めよう:

「新しい研究結果によれば、日本では数十人の新生児が毒素性ショック症候群に罹っているとのことである。この病気はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)によって起こるもので、日本をはじめ欧米で増加中である。研究者の間では現在、全世界的に新生児はこの病気の危険に晒されていると考えられている。

「1981年にMRSAのある株が毒素性ショックを引き起こすことを発見したミネソタ大学の微生物学者パトリック・シュリーバートは次のように語る。即ち、『近い将来にTSSは大きな問題になると思う。従来は、TSSは十代から大人の病気と考えられてきたので、新生児が罹患するとは考えられていなかった』

「1995年に日本の東京女子医大の高橋尚人(ローマ字なので漢字は不明。間違っていたらごめんなさい)とそのチームは新生児に発熱と発疹が出ている症例を発見した。血小板の数も少なく、そのために傷つき易かった。調べた結果この症状を示す全ての新生児がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の株の一つに感染していることが判明した。そしてその菌が「トキシック・ショック・シンドローム・トキシン(TSST)」を産生するのである。

「TSSTは特殊な抗原として知られている。特定の免疫反応を引き起こすというよりも、むしろ免疫細胞全体を見境なしに活性化させる。これらの細胞はVベータ2+ T細胞と呼ばれ、普通は体内のT細胞の18%を占める。しかし、この抗原によって活性化された場合には、細胞分裂が加速され70%にまで達する。体内のT細胞の殆ど全てが活性化されると、毒素性ショックが患者の腎臓、肝臓、心臓、肺などの臓器にダメージを与える。

「高橋の新生児はVベータ2+T細胞のレベルが高かっただけでなく、毒素性ショックの症状も見せていた。そこで高橋は日本中の著名な病院の新生児ケアー・ユニットを調査して、同様な症状を持った新生児の数を調べた。そして問題の症状を持った新生児に対して高橋はアクロニムNTED(「老生」にはこの薬品のことは判らない)を投与した。彼が調査した病院のおよそ四分の一が1995年の時点でNTEDを投与していた。しかし1998年には三分の二の病院からNTED投与の報告が入った。『私の病院だけでも70以上のケースがありました』と高橋は言う。

「MRSAは病院外でも増えている。昨年ミネソタ州で4名の新生児が病院外でMRSA感染によって死亡した。『問題なのは、医師が、患者がMRSA感染であると気が付かない事です。従って、ペニシリンを投与するので、効くわけがありません。正しい抗生物質をみつける頃には患者は死んでしまっているのです』とシュリーバートは言う。

「毒素性ショックは発見さえ早ければ防げる。高橋の言では、MRSA保菌新生児でありながら症状が出ない場合は、おそらく母親から抗TSST抗体を貰っているのだとの事。

「老生」はこの英国でも著名な雑誌が日本人医師の業績を取り上げて書いていることが嬉しい。勿論、「老生」は高橋ドクターの事は知らない。また、MRSAについてはあまり知識がなかった。では何故「老生」が興味深いと同時にショックを感じたと書いたのか?

「老生」はMRSAについて新しい知識を得た。また、この雑誌が日本人ドクターを中心に一文を書いたことに関心があった。また、ショックを受けたのは、MRSAが病院の外に広がっているという事実である。近代医学は抗生物質に頼り過ぎているのは事実であり、医師が安易に抗生物質を患者に投与する結果として、MRSAのような怪物が生まれたのである。

そう言えば、「老生」の友人のクレイトン博士は化学合成の薬品は有害物質の塊だと言う。自分でも化学合成薬品を使用しないだけでなく、「老生」にも化学合成薬品を使用しないようにアドバイスをしてくれている(いわゆる緊急事態は別である)。「老生」は出来るだけクレイトン博士のアドバイスに従っている積もりである。


前のページへ     次のページへ

〒435-0026      静岡県浜松市南区金折町733-2    TEL: 053-443-8450    FAX: 053-443-8491

© 2015 Uni-Vite JAPAN LTD, All rights reserved.