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#220 26/12/00

ムーデイズも評価しない国債が更に膨らむ

昨日(12月25日)の英文読売を読んで「老生」はたまげた。読売の記事は2001年の政府予算案に関するものであった。

何となく既にこの拙文で書いた記憶があるので、「老生」はチェックして見た。ちょうど昨年の同じ時期、正確には12月21日の149号に、「老生」はこう書いている。『日本株式会社』は倒産して、次の世代に莫大な『負の遺産』を残すことになるであろう。

英文読売の記事は次のように述べている:「12月25日の閣議で政府は82.65兆円の来年度予算を承認した。これには、現在直面している不況の真っ只中で将来の経済回復を狙った自由裁量的財政政策のための38.66兆円を含むものである。

「これは本年の当初予算を1.2%超える予算案であり、公共事業、社会保障その他の計画に振り分けられたものであり、結果として3年連続の上昇である。

「一般会計と称されるこの自由裁量的財政政策は、国防から教育までのすべてをカバーする一般会計予算の中で最大規模の予算である。

「この巨大な予算案によって、国民(日本の)の経済状態は当然悪化することになる。中央政府と地方自治体、つまり国債と地方債の合計は、2002年3月末には666兆円に昇ると思われる。これは来世紀2001年3月末の推定額より24兆円増加ということになる。

「老生」は現在の世界経済は必ずしも好ましくなく、それを好転させるために日本がとるべき政策が重要なことは重々承知しているが、一方では、既にして破産している国に他国を助けるための政策があるのかないのか非常に疑問にも思う。溺れかかった人に他人を助ける余裕が一体あるのであろうか?それが大きな疑問である。

『日本株式会社』の社長の意図はどこにあるのか?最終的には『モラトリアム』を狙っているのであろうか?テクニックの問題と考えればそれも理解はできる。

しかし、倫理的観点から見た場合、許されることであろうか?「老生」に理解可能な範囲を大きく超えている。

何しろ666兆円という巨額なる負債である。この巨額な負債を返済するのに何年掛かるのか?少子化によって若い人口が減り、一方では高齢者の数が増えるという事実を考えると、現在の経済環境を将来まで持ち越すことは非常に難しいことに「老生」には思える。

数十年前までは、この国の人口動態は現在とは違っていた。つまり正しい三角形であった。三角形の下部を若者が占め、その数は上部の高齢者より多かった。しかし、現在の状況は全く異なる。高齢者の数が増加して、少子化のために、この三角形が逆三角形になっているのである。そして、これら高齢者が作った負債が天まで届く勢いである。この負債を返すのは誰か?誰にも判らないのが現実であろう。『日本株式会社』の社長も経理部長も、『俺の知った事か!』という姿勢に見える。

実に不幸なことであるが、こういった『日本株式会社』の将来を占う時、常識あるビジネスマンには、将来が明るいとは言えないのである。この株式会社には倒産しか考えられないのである。『モラトリアムがなければ未来はないのである』。

これだけの厄介な問題の解決は『大量生産大量消費』という目下の形態の変更しかないのではないか、と「老生」は思う。これは地球環境問題の観点からも必要である。

この点に気付かず、行動を今すぐ起こさないかぎりホモサピエンス・サピエンスの将来には明るいものははないと言えるのではないだろうか?

恐らくこの拙文が20世紀最後の文章になるであろう。そしてこの拙文シリーズを悲観的な文章で終わるのは、決して「老生」の希望するところではないことをご理解願いたい。典型的なフランス人の言うところの『それも人生さ!』である。


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