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#118 29/09/99

子犬なんかつまんない、爬虫類を抱きしめよう!

 9月27日付けの英文読売新聞に少々面白く、かつ不思議な記事を発見した。最近のペット・ショップに起こっているニュー・トレンドである。先ずは「老生」に、その記事を引用させて頂きたい。

 「東京のある若い女性が半年前に、とあるペット・ショップを訪ねた。そこで彼女は一目惚れをするのである。相手は子犬でも子猫でもない。うろこのある、ライム・グリーン色をしたカメレオンなのであった。

 「彼女は、この表情に欠けるペットについて言う、『この子って本当にすてきでしょう。はじめはヘビにする積もりだったのに、この子を見た瞬間に好きになってしまったの!』

 「爬虫類をペットにする人の数は静かに、しかし確実に上昇している。非常に特殊なショップや爬虫類専門病院、『うろこ』という名前の雑誌などが増えつつある。この『うろこ』誌上には、例えばトカゲ籠などのような、特殊かつ重要な商品の宣伝広告さえある。

 「この『うろこ』誌の編集者は言う、『いつも爬虫類は可愛いか、という質問をされますが、実際、彼らは可愛いですよ。でもその可愛いさは一風変わっていて、猫や犬の可愛らしさとは違うのです。なにしろ控え目なのですよ』と。

 「日本では、ペットとしての爬虫類は周期的にブームになったり、落ち目になったりしてきたが、ここにきてどうやら安定しつつあるようである。ペットの数の全体から見れば、『うろこ』編集者によれば、爬虫類を飼う人の数はおよそ8万人との事である。--清潔で静か、住まいは通常ガラスの箱の中。これは狭い日本のアパート事情にとって大きな利点である。アパートの賃貸契約では、普通は四足のペットの飼育は禁止事項である。犬猫の糞便と鳴き声のためである。

 「自ら30匹の爬虫類を飼っている雑誌編集者は、『犬猫と比べると、爬虫類の利点はもっとあります。なにしろ散歩に連れ出す時間が要らないのです。中には週に一度餌を与えればよいという種類もありますから、旅行に出掛けることさえ出来るのです』と言う。

 「しかし、爬虫類愛好者の多くは、日常のごたごたを忘れて、まるで禅から得られるような一種の慰めがあると信じている。特に目下の経済不況から、多くの人々に忍び寄る失業の恐怖を忘れさせてくれる、との事である。

 さて、「老生」は9月1日付けの本ページ109号で、ペットとしての動物の輸入管理について一文を書いた。特に類人猿についてHIVとの関連から、その輸入は慎重であるべき、と指摘した。爬虫類をペットとして飼う人々の数が8万人というのは正に驚きである。爬虫類を飼う人々は少数派であろう。多数派は当然ながら犬や猫であろう。

 そうすると、多数派の数は一体どれほどなのであろうか?ペットを飼うなとまでは「老生」は言わぬ。それを言う資格は「老生」にも誰にもない。しかし、これらペットが消費する食料は一体どれほどなのであろうか?恐らくペット・フード産業は巨大産業なのであろう。

 それも「老生」が文句をつける筋合いの事ではない。しかし、一方で、この地球上に、この瞬間に生きていて、食料不足が原因で生死の境目をさまよう人々の数はいかばかりであろうか?

 ペットの与えてくれる慰めの必要性は「老生」としても理解はできるが、しかし、ペットは所詮ペットである。人間と比べてどちらが大切か、これは議論の余地がないと考えるが、いかがなものであろうか?

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