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#117 29/09/99

犬は狼を恐れかつ尊敬する?

 ある日「老生」の旧き友人が言った。「犬という奴はその先祖の狼を恐れ、かつ尊敬する。にも拘わらず、人間という奴は、その先祖の類人猿、あるいは猿を全く恐れぬし、ましてや尊敬しない。何故だろう?」と言うのである。確かにその通りである。尊敬どころかペットとして飼う輩も多いと「老生」も聞き及んでいる。

 遠い昔、進化の枝分かれの途中で、どこか別の所に行ってしまった奴には敬意を払う必要がない、と言うのであろうか?それとも、猿から枝分かれしてしまった以上、昔の親戚とは縁が切れたと言うのであろうか?考え方はどうでも良い。ともかく、先般、NHKのTVを昔見た事を思い出した、多分2年ほど前であろう。

 NHKのTV番組は、犬を使った実験であった。確か、象と虎と狼の小便を持って来て、野外の電柱、但しその犬の通常の散歩コースにある電柱に掛けるのである。そして、その電柱の近くに犬を連れてくるのである。象の小便にも、虎の小便にも、犬は全く反応を示さない。ところが、狼の小便に対しては、犬は全く「恐れ戦く」のである。

 さて、人間の場合はどうであろうか?先輩としての類人猿の小便を認識できる人間は、まず殆どいないであろう。「老生」としても、全く自信がない。己の小便の臭いにさえ、鈍感なのは充分承知している。ましてや、大先輩か御先祖様である猿の小便の臭いを識別できるはずがない。

 そこで、話を猿ではなく、人間の先輩に対する態度の話に変更することにする。つまり、ある人物が、頭があがらない先輩、あるいは尊敬する人物に接するケースを想定して見ようではないか。尊敬してないが、表向きは尊敬した形をとらざるを得ないケースが良い。簡単に言えば会社の上役である。一個人対一個人の関係ではなく、あくまで日本人の集団の中での個人の反応である。従って、やはりサラリーマンの会社の内部における行動の分析と考えて頂きたい。

 「老生」もいわゆるサラリーマンを20数年行ってきたことをお忘れなく願いたい。ただし、「老生」は会社の中のベタベタした人間関係が最も嫌いであった。従って、かなり若い頃から、己の旗印を明確にして、「俺は人間関係ではなく、あくまで仕事の結果で勝負するぞ。だから上役にへつらう事なく、己の道を行くぞ」という姿勢をかなり明確に打ち出していた。そして、20数年間のサラリーマン生活を、定年をかなり前にして自ら打ちきった。他人に「肩叩き」されるのだけは死んでも嫌であったからである。

 49才にして決心をして「老生」はサラリーマンを止めた。そして、自分の会社を設立して、何とか飯を食わせて頂いている。そういう「老生」から見て、上記の「犬」と比べて、人間の先祖ないしは先輩に対する態度はいかがであろうか?

 「老生」の独断と偏見で言わせて頂くなら、大方の人々に対する「老生」の判断は概ね次ぎの通りである:


(1)恐れる人、自分より偉大な人に対して、足を引っ張る種類: 80%

(2)単純に、ありのままに接する種類:            15%

(3)相手を敬い、尊敬し、師事する姿勢を示す種類:       5% 


いかがなものであろうか?これは「老生」の勝手な独断と偏見に基づく見解であることは既に述べた通りである。

 それにしても犬は自分より優れた偉大な存在に対しては、素直に恐れと尊敬を示すと書いた。人間には何故そのような素直な態度が取れないのであろうか?何百万年を過ごしてきて、なおかつこの単純な問題を克服できない人間に豊かな将来が考えられるのであろうか?

 「老生」は基本的には楽観的な人間である。従って、この疑問に対しても楽観的でありたいと希望はする。しかし、人間の歴史を考える時、時折悲観的にならざるを得ない。80%が優勢を示すのか、20%が優勢になるのか、極めて疑問を感じる昨今である。

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