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#107 17/08/99

遺伝子操作食品について英皇太子攻撃される

 「老人」が購読する英国のChemistry & Industryなる化学雑誌の最新号(8月2日付け)が今日(8月17日)手元にに届いた。早速目次を見ると面白い記事を発見した。英国のチャールス皇太子が砲火を浴びているというのである。

遺伝子操作食品について反対の立場に立つ皇太子だから、恐らくアメリカからの砲火に違いあるまいと見当をつけて、早速読んでみると「老人」の想像の通りである。その記事を紹介しよう。

 「アメリカ政府が遺伝子操作食品(GM食品)について賛成の立場にあるのと同様に、アメリカのバイオテク産業協会(BIO)の会長が、同皇太子がバイオテク農業について口出しするとして、激しく攻撃を開始し始まった。

 「皇太子はこの問題については明らかに素人であるにも拘わらず、GM食品に対して不変の反対者の立場を取っている、と同会長は先月ワシントンで行われたナショナル・プレス・クラブで発言している。

 「皇太子は植物の遺伝子について自分が専門家とは称していない。しかし、自分(会長)としては、公平に見て、皇太子はその知名度を、遺伝子関係の専門家と同じレベルにまで高めるように利用している、と言えると思う。問題は、本物の専門家なら遺伝子操作には、在来タイプの交配以上の危険がないのみならず、むしろ安全な事が判るのだが、皇太子にはそれが判らない事なのだ、と言う。

 「皇太子の成功は有名人が警告する側に立つという点を強調しているからであり、特定の問題に対して熟知する人が少なければ少ないほど、より多くの人がその有名人の意見を事実と誤認する、と同会長は言う。

 「この会長の発言より少し前に、同じ問題について、米国農務長官のダン・グリックマン氏は、GM食品に対する反対の声が大きくなりつつある事実を認めた上で、消費者の信頼を得る目的で、一連の方策を取る計画を発表している。

 「同長官は、アメリカは国際市場にバイオテク農産品を販売するのに、目下苦境に立っている。こういった諸問題を予め予想して、25名の委員からなる諮問委員会を作ったと言う。メンバーは政府職員、学者、農業従事者、倫理学者、環境保護団体、消費者グループ等を含む由。

 「同長官によれば、農務省における認可プロセスを再検討中との事でもある。

私は目下、全てのバイオテク製品の開発者に対して、何か予想外な事、あるいは将来的に危険が発生する事態が発生した場合、即時農務省に報告するように求めている、と発言した。

 さて、チャールス皇太子のGM食品に対する反対の事実は、「老人」としてはすでにホームページ85(6月16日付)に書いている。また、同様に、英国の冷凍食品小売チェーン店のアイスランドが1年以上も前に、GM食品の取り扱い中止を発表し、その結果として売上が謙著に増加した事も書いた。

 本日現在(8月17日)「老人」が知るところでは、GM食品に反対の立場を取るか、あるいは表示の義務化をする国が次第に増加している。ヨーロッパ連合の反応は多分最初であったろう。最近では、本稿に述べたオーストラリアとニュージーランド、そして日本。従って、アメリカが苛々するのは良く判る。

 しかし、「老人」がアメリカの政策について疑問に感じる事を2−3言うならば、(1)英国皇太子を含めた有名人も、例えそれが誤っていようが正しかろうが、個人として意見を表明する権利はある、(2)アメリカの農務長官が今ごろになって、25名の諮問委員会を作るというが、遅すぎはしませんか、と思う。

 アメリカ政府が本来取るべきステップは、この老齢のビジネスマンの目には、先ず順序が違うという点である。先ずGM食品の安全性につき完璧なチェックをすべきであった。次ぎに安全性について消費者に充分納得のいく説明である。

 そして最後にGM農産品を育成し、それを販売することである。これだけ簡単なことは、特に経験の多くない若いビジネスマンにとっても自明の理である。英国皇太子を攻撃してみても、アメリカにとっていかなるプラスも考えられない、と「老人」は考えるがいかがなものか?

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