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#098 15/07/99

オランダ政府が安楽死の合法化を検討

 ヘーグ発のAP電によれば、オランダ政府は、今のところ法律的にはグレー・ゾーンにある世界に知られた安楽死自由化政策について、これを合法化しようという動きが出ている。

 「法務省のスポークスマンが月曜日(7月12日)に語ったところによれば、これまで政府が取ってきた政策に対する法的裏付けをしようという点で合意したもの、とのことである。

 「オランダでは、毎年何千人という末期的症状の患者が安楽死を求めているが、今のところ安楽死は、正式には非合法である。医師および安楽死賛成論者達の合法化圧力に屈して、政府は正式に安楽死、あるいは自殺幇助の合法化を検討している。ただし、ガイドラインをより厳格に遵守することが条件ではある。

 「提起されている法律改正によって、1993年から存在してきた状況が正式に認められることになる訳であるが、この1933年という年に議会は、ガイドラインを厳しく守るという条件で安楽死に賛成票が投じられたのであった。

 「ガイドラインには、安楽死希望者は耐え難い痛みと、治療の道のない苦痛に悩まされる患者であって、しかも反復して明確な安楽死への希望を表明する患者だけが対象とされると規定されている。主治医は第三者の医師の意見も求める義務があり、また、実行した全ての安楽死のケースを当局に報告する義務を有する。

 「しかしながら、安楽死自体は、一方で実行されながらも、他方では、例えガイドラインに従って行われるものであっても、正式には非合法のままである。

関係する医師達の言い分では、自分達は法律的には灰色ゾーンに置き去りにされていると感じている。

 「前述の法務省スポークスマンによれば、この度の提案は上下両院の承認を必要とするので、少なくとも一年間は掛かるであろうと言う。

 「オランダ国民の全ての死の3%−毎年3,600名に当たるが−が安楽死として報告されているが、実際の数字はもっと大きいものと信じられている。国民の安楽死に対する考え方は驚くべきことに、1998年の調査では、92%の国民が安楽死に賛成しているとのことである。

 「老人」は昨年7月にこのホームページを書き始めた際の最初の分でオランダにおける安楽死のことに触れたが、その時は安楽死に係るオランダの実情を理解していなかった。そして安楽死は完全に合法的なものであると理解していた。ところが、本日のこの記事を読んで、事実はもっと複雑でグレー・ゾーンを含んだものであったことをようやく理解した。おそらく「法」と「その運用」の間にギャップがあり、今回のオランダ政府の動きは、そのギャップを埋めようとするものと「老人」には思われる。

 それにしても、一年間に安楽死として報告される人の数が3,600とは驚いた。「老人」の単純なる考えでは、違法な行為を行うことは即ち犯罪であり、犯罪を行うものは処罰さるべきである。

 確か昨年の半ば頃、あるオランダ人の書いた「Dancing with Dr. D」という書物が出版された。「老人」はこれを読んだ。そして大きな感銘を受けた。そして、その時、「老人」は、もし己が治療不可能な病を得ることがあれば、安楽死を求めることがあるやも知れぬと考えた。

 その思いは現在でも原則として変わらない。しかし、一方で、ここに引用したオランダの不可解なる法制度を知るにおよび、安楽死についてはより深くかつ慎重に研究を要すると思う次第である。

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