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#096 13/07/99

野積みされている危険な農薬

7月11日付の英文読売新聞に次ぎの記事が載った。鳥肌のたつ事実である。

「ダイオキシンを含む農薬である塩化ニトロフェノール(CNP)約7千8百トンが、三井化学のいずれかの工場で、屋外に野積み状態で保管されていることが、7月9日に判明した。

「この農薬の屋外保管について不安の声があがったため、同社の東京本社では、これを屋内倉庫に移すと言っている。なおこの会社はCNP生産を自主的に中止し、流通在庫も回収した。CNPは主として除草剤として、稲栽培の初期に使用されたものである。

「化学製品に詳しいある有識者によれば、三井化学としては流通在庫を回収したとしているが、実際には未だ回収に応じず、自分で保管している農家がある疑いがあるとの事。しかもその量は相当に昇ると見られている。同有識者によれば、未回収農薬について、その保管と処分について適切なる方法を見付けるのが急務と言う。

「三井化学はCNP生産を自主的に中止し、市場の流通在庫も回収した。同社によれば、同社自身が約7千8百トンのCNPを保管していると言う。5千8百トンが、生産後農家の手に一度渡ったものを自費で回収した分。加えて販売前の在庫が2千トン。合計で7千8百トンである。

「CNPはその99%が粉末状で、紙の袋に入れて工場に保管されている。その紙袋8ケがカートンボックスに入れられ、水を通さないシートを被せて保管してある由。危険性を指摘する学者の見解に対して、同社のスポークスマンは、

保管状態に問題はない、と反論している。しかし、高知大学の学長は、袋が破れて中身が空気中に漏れたら危険、と指摘している。

「三井化学は読売新聞に対して、昨年撮影されたCNP野積みの写真を提供し、その状態は現在も変わっていない事を認めているが、その工場がどこの工場かについては言明を避けている。近所の住民に不安を与えたくないというのがその理由である。

「三井化学では1994年以来CNPの安全な処分方法を模索してきたが、満足な結果は出ていない。同社スポークスマンの言では、安全な処分方法がない以上、保管する以外の選択肢はない。目下同社としては、野積みCNPを倉庫内に移し、空気に触れないようにすべく検討中、との事である。

「除草剤を分析したところ、CNP1グラム当たり7千ナノグラムのダイオキシンが含まれていることが判明した。この数字は農林省と三井化学が従来発表してきた数字の100倍である。

 そこで「老人」は例によって簡単な算術をしてみた。(1)三井化学が保管する総量は7千8百トン、(2)CNPは一グラム当たり7千ナノグラムのダイオキシンを含む、(3)1ナノグラムは10億分の1、(4)すると計算では、7千8百トンのCNPには5万4千6百グラムのダイオキシンが含まれることになる。

 5月29日付英文読売(「老人」のページ79を御参照)によれば、17グラムのダイオキシンで1400万のモルモットを殺せるという。算術的には5万4千6百グラムで450億匹のモルモットを殺すことになる。

「老人」の次ぎの疑問は、モルモット450億匹を殺すダイオキシンは、人間なら何人殺せるかという疑問である。科学者ではない「老人」には正確には答える術はない。乱暴に、人間の耐毒性がモルモットの450倍と仮定すると、約1億人の人間を殺すことになる。ほとんど日本の総人口である。

 しかも、これは日本一国の中の、わずか一社のケースである。世界中には数多くの化学会社がある。それらの多くが似たような事情でダイオキシンを含んだ化学製品を保管していると考えて良いであろう。もし、そういった化学製品が含むダイオキシンを全部合わせれば、地球の全人類を根絶やしにすることさえ可能な程の量なのではないだろうか?身の毛のよだつ話しである。

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