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#088 22/06/99

ダイオキシンのトップ・メーカー日本、年間4kg排出

 「老人」の住むある、地方都市の主要地方新聞の報道によれば、日本が排出するダイオキシンの量がダントツでトップな由である。誠に不名誉なことである。子孫に残す負の遺産としての政府の借金政策を「老人」は激しく批判したことがあるが、それでも経済問題ははまだ良い。借金は返す方法はないわけではないからである。

 ところが、日本人が地球環境に対して残す負の遺産としてのダイオキシンは大変な量である。日本人だけに類を及ぼす問題ではなく、人類全体の存亡に係る問題である。これはもう世界全体の人々に対する犯罪的行為であると言うべき数字である。

以下に世界の15ケ国におけるダイオキシンの年間排出量を示す:

1

日本

3,981g

9

スイス

181g

2

アメリカ

2,744g

10

オーストラリア

150g

3

フランス

873g

11

ハンガリー

112g

4

ベルギー

661g

12

スロバキア

42g

5

イギリス

569g

13

デンマーク

33g

6

オランダ

486g

14

オーストリア

29g

7

ドイツ

334g

15

スウエーデン

22g

8

カナダ

290g


 この数字は、国連環境計画(UNEP)が6月21日に発表した報告書の数字である。15位に位置するスエーデンと比べて、なんと180倍の数値である。人口総数が異なるので、単純な比較はできないが、それにしても180倍と言うのは並でない数字である。日本人が環境問題についていかに無神経であるかを示す数字である。

 戦後の荒廃を身をもって経験した「老人」には、日本人の「頑張り」は言うまでも無く良く分かる。腹を空かせて巷をさまよう経験は二度としたくないものである。その戦後の荒廃から立ち直るがため、「老人」自身も、社会に出てからしゃにむに働いた。トランジスター・ラジオを輸出し、綿布を輸出し、その後サラリーマンを止めるまで、内燃機関を搭載した機器を、発展途上国に対して、生活向上、あるいは沿岸漁業開発の美名の元に、世界中の発展途上国に売りまくるべく日夜働いた。そして日本経済は目を見張る発展をした。

 その結果はどうであろうか?ダイオキシン排出について世界のナンバーワンという汚名である。その当時、ダイオキシンなる言葉も、その内容も知らぬ「老人」ではあったが、「善」と信じて行ってきた行為が、子孫のために「害」をなす、と知った時から、「老人」にとってビジネスなる言葉の意味が大きく変わった。そして、地球環境について考えるようになった。知識は未だ浅いものではあるが、今後とも勉強は欠かしたくないと思う。

 どうであろう?人類もこの辺りで、少し立ち止まって、自分の生き方について少しだけでも考えて見るべき時に来ているのではないだろうか?特にダイオキシン排出世界一の日本人は、地球環境悪化の最先端を走っているのだという自覚が必要なのではないだろうか。

 身辺で、常々感じることではあるが、例えば「過剰包装」の問題もある。商品は中身が大切であることは言うまでも無い、しかし、包装にここまで気を使う国民は世界でも少ないのではないか?不必要なパッケージに不必用なコストを掛け、その不必要なパッケージはゴミになる。そして、そのゴミを焼却すれば、ある条件下では、ダイオキシンを発生させる。一方では、商品を作って売る側としては、美しい包装にしなければ商品の販売が心配である。従って、どうしても過剰包装がなくならない。そして、ますますゴミを排出する。

 一方で、別の新聞によれば、環境庁と厚生省が合同会議を開き、ダイオキシンの耐容1日摂取量を定めたとの記事を目にした。体重1キロ当たり4ピコグラムとの事。そこで簡単な計算をしてみた。1ピコは1兆分の1である。平均体重60キロとして、1億3千万人の日本人が上記の耐容摂取量を摂取したと仮定しよう。すると、少なくとも日本人全員が1年間に摂取するダイオキシンの総量は11.38グラムになる。4キログラム生産する日本が、国民全体で、安全に、摂取できる量の350倍を生産している勘定になる。

 これは正に犯罪と呼ぶべきことではないか?

 悪循環の見本である。そろそろ誰かが猫の首に鈴をつける努力が必要ではないか?さもないと、地球環境悪化の加害者として、後世まで記録される日本人になるであろう。国民一人一人が真剣に考えるべき問題であると、「老人」は考えるが、世の知者の御意見はいかがなものであろうか?かかる意見を言いながら、一方では、それを実行できない「老人」を考えると、憂鬱にならざるを得ない。誠に憂鬱な梅雨時である。

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