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#087 18/06/99

遺伝子操作食品に対する日英消費者の反応

「老人」の購読する英国の雑誌「化学と産業」の6月7日号に面白い記事を発見したので、それを紹介したい。

「環境保護団体<地球の友>によれば、英国の大手食品会社のほとんどが遺伝子操作食品(GM食品)をボイコットしようという動きに同調している、との事である。

「同団体は先月、30の主要食品会社の政策を調査し、その結果を発表した。

それによれば、30社の内の24社は、すでに遺伝子操作食品を排除したか、あるいは排除すべく手配中かのいずれかである、との事である。排除される食品成分には、遺伝子操作された動植物から採られた脂質やレシチン(動植物、酵母、カビ類に広く分布する代表的なグリセロリン脂質)も含まれている。

「<地球の友>はこの調査結果を消費者にとっての大きな勝利と位置付けて、遺伝子操作食品の安全を消費者にアピールしようとする政府の試みにも拘らず、環境と健康にたいする不安をもつ消費者の数が圧倒的に増えている、との認識を表明している。 

「大手スーパーのセインスベリー社は、英国のみならずヨーロッパ全体の食品小売業者を組織して、非遺伝子操作食品の入手先を確保すべく努力中との声明を発表した。ただし、同社の言によれば、同社としては遺伝子操作食品が、合法的かつ安全、更に地球環境に対してキチンと責任をとるものである保証があれば、遺伝子操作食品に対して特に反対の立場をとるものではない、とも言っている。また、同社の姿勢として、遺伝子操作食品を自社ブランドで販売するのを嫌うのは、当然ながら消費者の不安が増大しているのがその理由である、としている。

上記が最近の英国における遺伝子操作食品にたいする状況である。「老人」としては、6月1日の日本農業新聞の記事、即ち、日本における遺伝子操作食品に対する反対運動の高まりについて報じた同紙の記事である。

同記事によれば、5月31日東京で、遺伝子食品に対して反対の立場に立つ市民団体が集会を開いた由。参集した環境保護を訴える市民団体の数は70、全体数は500名に達した由。この集会には、英国のある大学教授が講演を行い、その講演の中で教授が指摘した事は、世界中では遺伝子操作食品に対して、現在でも賛否両論があるが、ヨーロッパではほとんどの国が反対の立場(「老人」注:フランスは少々ニュアンスが違う)に立つが、米国、カナダ、アルジェンチン、オーストラリア、チリ、ウルグアイの6ケ国は賛成の立場にあるとの事である。

この国にも環境を愁う活動家グループが活躍していることを知らなかった「老人」ではあるが、この事実は「老人」を大いに勇気付けるものであり、今後も環境の観点から、このページに拙文を書き続けるべく、決意を新たにした次第である。

と、ここまで書いてきた「老人」の手元に、英国のビジネス・パートナーから新しいニュースが入った。それは、英国の「インデペンデンス」紙に書かれた6月17日の記事で、遺伝子操作食品に関するものであった。記事のタイトルは、「遺伝子操作農作物の危険性に関する公式データ」というもので、その記事が伝えるところでは、環境大臣のマイケル・ミーチャー氏は、有機農業を行う農家の立場を擁護するというものであった。また同大臣がその立場をとる根拠は、遺伝子操作をした農作物は、近隣の畑に遺伝子汚染をもたらす証拠がある、というものである。

この問題についての行方は未だ不透明なところが多いので、予断を許さないが、同じ「インデペンデンス」紙によれば、トニー・ブレア首相は、メデイアのヒステリックな態度に繰り返して警鐘を発している由。ヒステリックな態度はいかなる場合でも好結果をもたらさない。その点では英国首相の言うことは正しい、と「老人」は思う。人類の歴史の中で、ヒステリーが問題解決した例を「老人」は知らない。

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