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#083 11/06/99

遺伝子操作の動物に対する危険

このところ反復して引用するジェレミー・リフキン氏の著書「バイオテク・センチュリー」なので些か忸怩たる思いはあるが、それにしても同氏の著書からは多くを学んでいる「老人」ではある。ましてや同書は今では日本語に翻訳されているので、「老人」としてはますますもってカッコが悪い次第である。しかしながら本日は非常に重い話題を提供したいので、もう一度リフキン氏の著書からの引用を許されたい。

リフキン氏が同書の中で言うには、数千の遺伝子操作されたキメラ動物あるいはクローン動物が、ブタから霊長類に至るまで、世界中で実験され、家畜改良から薬品及び化学物質をもっと効率的に生産し、ヒトの病気の治療法を発見するための努力が行われている。更に、リフキン氏の言では、動物の遺伝コードに外来の遺伝子を植え付けることは、数多くの反作用を生み出し、結果として生き物に従来例のない痛みをもたらしている由である。

もし、導入する遺伝子が受け入れ側の動物の遺伝子を撹乱すると、その結果として、挿入された遺伝子によって突然変異が起こり得る。英国王立医学会のギル・ラングリー博士の言を引用し、ミバエの遺伝子とウイルス遺伝子(チミジンキナーゼ)の遺伝子を胚に挿入されたマウスのケースでは、生まれたマウスの一部に、後足欠損、顔裂、脳の欠損等の異常が発現を報告している。

リフキン氏の著書をここまで読んで、「老人」は、そのホームページ66号(3月19日付)に、「ネズミの助けによる無精子症の父親4名」なるタイトルで、日本人の父親一名を含む四名の父親のことを書いたのを思い出した。

あの4名の乳児は今どうなっているのであろうか?特に科学的知識も持ち合わせない「老人」ではあるが、これら乳児が直面する危険性を指摘した。当然ながら「老人」は、これら乳児にネズミの尻尾が生えることを望む訳ではないが、上記のギル・ラングレー博士の指摘する危険が存在することは明らかと考える。

ネズミの尻尾の事は、この際横に置くとして、ジェレミー・リフキン氏が指摘するように、動物実験には結果として多くの危険が伴っているらしい。挿入遺伝子の初代受け入れ動物から、その子孫への伝達は、しばしば失敗に終わっており、それ故動物を追加して何百回と実験を反復しないと、求める系の開発には至らない由である。

リフキン氏が警告するのは、挿入された遺伝子が子孫の体内で化学変化を起こして、その結果、全く予想外の結果を生み出すことも間々あるとの事である。こういった実験から得られる教訓は、挿入された遺伝子と、受け入れる側の動物の化学的活性との、複雑かつ多重の相互関係は、事前には殆ど知り得ないしまた予測不能であるため、結果として各種の新しくかつ奇怪な病変を動物に作り出す可能性があると言う。

「老人」がs 真剣に心配するのは、かの四名の父親及び手術を実行したイタリアの医師達が、万一乳児達に、リフキン氏が上に述べたような異常が発生した場合に、いかなる責任を取れるのか、と言う点である。

これらの父親達を、我々は勇気ある行動と賞賛すべきなのだろうか?あるいは、万一これら乳児達に不測の事態が起こった場合、彼等を非難すべきなのか?これは誠に重い質問である。「老人」はせめてこれらの乳児達に、何事も起こらず、健やかな成長を望むばかりである。異常なる事態が起こってはならないのだ!

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