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#080 03/06/99

牛の歯が人間の歯周病の治療に役に立つ?

6月3日付け英文読売に非常に興味ある記事がある。特に、歯周病に悩まされてきた「老人」にとっては、とりわけ興味深い。先ず、例によってその記事の引用から始めよう:


「ある研究チームが、牛の歯のセメント質から得た蛋白質を用いて、炎症性歯周病、あるいは歯の周囲の炎症を治療する方法を開発した。

「新しいテクノロジーの開発は、大阪歯科大学の西村講師、北海道大学の宗像教授及び、鐘紡社の医療用素材研究チームによって行われたものである。このテクノロジーの有効性については既に実験から確認されている。

「歯というものは、基本的には象牙質、つまり骨に似ているが、骨より硬い物質から出来ている。セメント質は薄い層で、歯茎の中で象牙質を覆っている。人間の場合は、セメント質の厚さは0.02から0.2ミリ程度である。

「セメント質が歯茎の組織とくっつき易い事実を発見した西村講師は、その事実を歯周病の治療に応用してみようと考えたのである。

「研究チームは牛の歯から取ったセメント質をフリーズドライ処置と消毒を行い、それから牛のセメント質を粉にした。そして、厚さ0.2ミリのゼラチン状の薄膜を牛のセメント質の粉で覆った。

「歯周病をシミュレートする目的で、チームは猿の歯茎を剥がして、セメント質を削った後に出来た場所に、1センチ四方のゼラチン状薄膜を埋め込んだ。そしてその傷を縫合処理した。

「3週間後、歯とその周辺の組織は殆ど完全にくっついて歯茎は元の形を取り戻した。二人の歯周病患者に対して、志願による臨床テストが行われた。エックス線検査によれば、6週間後には殆ど完全に治癒が見られたとの由。

「研究チームによれば、牛の歯が含むある蛋白質がセメント質の生産を増加させ、同時に、歯槽骨と歯を繋ぐ繊維状のコラーゲンが作られて、それによって歯周病が治癒するとの事である。

「西村講師によれば、35才以上の日本人の99%は歯周病、あるいは歯の周辺の組織の何らかの病気に罹っているとの事である。深刻な例では、歯科医は、患者の歯茎の炎症部分を切り取り、象牙質の層まで歯を削り、残った歯茎を縫合する由。問題は歯茎が歯にくっつくのが容易ではなく、場合によっては再発するとの事である。

「西村講師によれば、牛の歯の代わりに、蛋白質の遺伝子操作によって、人間の歯のセメント質の大量生産を考えている由。臨床テストによって、この方式の効果と安全性が確認されたら、この技術を商業的に紹介したい意向である。

大変興味深い記事である。残念ながら「老人」にとっては、このページの第一号に記したように、英国にまで飛んで義歯を作った際に、相当数の歯を抜いてしまっているので、もはや手遅れではあるが・・・・・

この新聞記事によれば、「35才以上の日本人の99%が歯周病あるいは歯の周辺組織の病気に掛かっている」との事である。これは誠に仰天すべき事である。35才以上の人口は、恐らく総人口の半分以上であろう。全国民の半分以上が歯か歯茎に係わる病気に掛かっていると言うのである。もしも、これが事実とすれば、あれだけ沢山いる歯科医はこれまで何をしてきたのであろうか?

日本人の歯科医の腕が悪いのか?あるいは、日本人がよほど馬鹿で、己の歯に害を与えるのに信じられないほど巧みなのであろうか?どこかで何かが根本的に誤っているのではないだろうか?

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