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#078 31/05/99

わが国でも遂に盗聴なる卑劣な手段が合法化か?

目下新聞を賑わせている国家権力による、盗聴という卑劣な手段が合法化されようとしている。この件についての5月30日付け英文読売の記事から引用する。


「組織犯罪の捜査中に盗聴許可を含む、組織犯罪対策3法案の是非について、激しく議論が行われているが、5月28日に大きな曲がり角を迎えている。というのは、自民党と他の2政党のバックアップを受けて、法案は同日に衆議院法務委員会で可決されたからである。

「同法案は、昨年、政府から国会に提出された同じ趣旨の3法案を基に、これを手直しして衆議院法務委員会により可決されたものである。

「この議論を呼ぶ3法案が、同委員会で可決されたという事は、衆議院本会議でも可決される可能性が高いということである。6月1日(木曜日)には衆議院本会議で可決され、参議院に送られる見とおしが強い。

「ここ数週間、議員たちは、通信傍受について賛成派と反対派に分かれて激しく対立を続けてきたが、賛成派は組織犯罪撲滅に貢献するという立場、一方の反対派は、個人のプライバシーの著しい侵害と批判する、という構図である。

「この法案が通過すれば、組織犯罪に対して"必要最低限"の通信傍受作業が可能になる。3法案は通信傍受だけでなく、組織犯罪が関係する薬物、銃器関連犯罪、組織的密入国、マネー・ローンダリング等もターゲットとしてカバーすることになる。

「1995年に東京の地下鉄にサリンを撒いたとされるオーム真理教の一連の事件に続いて発生した、将来犯罪を犯すと思われる犯罪グループを密かにモニターするための手段としての通信傍受には法的にも議論が多いところである。

「金曜日(6月28日)に行われた衆院委員会において、自民党と自由党及び新公明党が賛成票を投じた。日本共産党を含むその他の党は反対する目的で棄権した。


以上が英文読売の記事である。「老人」に関する限り、いかなる理由があるにせよ、このようなプライバシーの侵害に対しては「断固反対」の立場である。

「老人」が反対する理由は単純で、第一に日本国憲法第21条に明記されている「通信の秘密は侵してはならない」という条文に違反しているからである。第二に、この手の卑劣な手段はどうしてもエスカレートし易い傾向があるからである。

アメリカ合衆国第37代大統領ニクソンのウオータゲート事件は基本的には「盗聴」に係わるスキャンダルであったのは読者もご記憶であろう。ニクソンの最後は誠に惨め、かつ哀れでさえあった。何しろ任期中の現役大統領の辞任である。

現在でも、恐らくアメリカでは、CIA、FBI、その他の組織によって、正義の名のもとで日夜行われている悪夢のような「盗聴」に恐怖と不気味さを感じない日本人はあまりいないのではないだろうか?盗聴をする側も、されるがわにとっても悪夢そのものである。人間の心を蝕む行為であることは間違いない。

「盗聴」に関するアメリカの悪例を、何故われわれ日本人が真似する必要があるのであろうか?「老人」にはとうてい理解できない。

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