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#012 19/08/98

思春期に一時栄養不良で、後に子供を生む女性が長生きする?

いつもながら外国の新聞の受け売りで少々恥ずかしいが、いい年をして好奇心の固まりの「老人」としては、やはり医学関係の面白い記事にどうしても目が行ってしまう。是非お許しあれ。という次第で、今回も標記の話題。

アメリカのカリフォルニア大学はデービス校の昆虫学教授ジェームス・キャリーが昆虫(ショウジョウバエ)とラットを使った実験で、このような結論を得た様子。これは1998年8月16日の英国の新聞「The Mail on Sunday」からの引用である。

若い時代に激しいダイエットを行い、その後やや遅く子供をもうけると長生きするという結果が動物実験の結果では明らかになった由。科学者のこれまでの研究結果でも、動物が再生産を行う時期と老化の進行には決定的な関係があると考えられてきており、これは、どうやら人間にも(勿論女性だけであるが)当てはまるらしい。ただし、これは一定の年数に子供をもうける、という条件付きではあるらしい。

キャリー教授の意見では、再生産をする(子供をもうける)という事自体が、全ての動物にとっての老化に対して、主要なるペースメーカーの働きをしていると考えられる由。「若い頃乱脈な栄養管理を行い、比較的晩婚で子供をもうける女性達」となると、なにやら「老人」も耳にしたことがありそうである。晩婚というよりもむしろ「未婚」か?

キャリー教授の研究では、糖類のみを与え、タンパク質を与えず、再生産のなかったショウジョウバエの方が、糖類もタンパク質も与え、再生産は行ったものの、比較的短命で終わったショウジョウバエよりも遥かに長命であった由。特にこの糖類のみでタンパク質を与えられなかったショウジョウバエは、人間の年令に換算すると90才代に相当するが、その後タンパク質を与えると、その後数週間も寿命が延びた由。これも人間の年令に換算すると、90才から更に20年か30年生きた計算になるとの事。キャリー教授の言では、「若返りですね。ちょっと環境を操作しただけで寿命にこんなに大きなインパクトを与えた訳です。勿論これは一般的発見であり、昆虫にしか当てはまらない事でしょう。齧歯類の再生産をストップすると彼らも長生きしますよ」

キャリー教授の仮説では、「栄養不良の女性には排卵がなくなります。その後に栄養状態が完全化して、子供をもうけると、その女性の寿命は長くなる。ただしこれはショウジョウバエに起こることが人間にも起こるとすれば、の話です」

「尼さんは、子供の多い母親より一般的には短命です。勿論子供の数が問題ではなく、卵巣が空になる程度の問題と思います。原理的には、再生産不能になるほど食事を制限することがポイントのようです」と同教授は語っている。また、同教授は付け加えて、「このアイデアが人間にも有効か否かを調べるには、思春期に何かの理由で一時的に飢餓状態に陥り、その後栄養状態も正常に戻り、なおかつ子供に恵まれた女性を研究して見る事です」との事。

これも「老人」にとっては、クレイトン博士の意見を求めるべき事である。博士の見解を入手次第このページで発表する予定。

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