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ビタミンKこそ対策の鍵

 ロンドンのイーストマン歯科病院のホッジス博士(Dr.Steve Hodges)は、今まったく新しい骨粗しょう症対策に取り組んでいます。彼は、ビタミンKこそが「鍵」だと信じています。骨粗しょう症患者の場合に、ビタミンKの血中濃度レベルが低下している場合、そして、その低レベルそれ自体が骨粗しょう症を引き起こすだけでなく、発症プロセスの一部をなしているという仮説を立てています。

 ビタミンKは体内で少なくとも2つの役目をしています。血液を凝固させる血液タンパクを活性化させるのがその1つです。(ウオーファリン[Warfarin]のような血液凝固が激しい患者に与える抗凝固薬はビタミンKの働きを阻害します)また、その2つ目の役目は、造骨プロセスの中心的存在のGlaタンパクを活性化させることです。

 従って、ビタミンKが不足すると活性Glaタンパクが低下し、不活性Glaタンパクが増加します。研究者達の最近の発見によれば、閉経後の女性の場合は不活性Glaタンパクのレベルは特に高いとのことで、このことから、この状態の女性にはビタミンKが不足し、そのためにGlaタンパクの活性化が阻害されて、そのためにこそ新しい造骨が阻害されていることを示していると言えるようです。ひるがえって、このことは、閉経後の女性の骨粗しょう症リスクの高さの理由と、尿中へのカルシウム排出レベルが高い理由の説明にもなるわけです。

 これらの発見から、ビタミンKの栄養補助食品としての補給が骨粗しょう症に有効であることを示します。Glaタンパクをより活性化することによって新しい骨の増殖を促し、カルシウム損失を低下させるのです。これこそオランダの研究者グループが最近発見した方法で、そのポイントは、ビタミンKを1日当たり1グラム、14日継続投与するというものです。これらの結果(徐々に受け入れられていますが)から、ようやく骨粗しょう症のミステリーが解明されつつあるわけです。

 環境悪化もリスク要因の1つである可能性も捨て切れません。1960年代から70年代に大量に廃棄されたPCB(訳注11参照)と呼ばれる化学産業の「鬼っ子」はビタミンKの効力を殺す強い力をもっています。PCBは、一時は相当量が飲料水と食物連鎖に侵入し、その結果、われわれ皆がそれぞれの体内に少量ながらこうした有毒化学物質を抱え込んでいます。ある人々は大量に、そしてある人々は少量に抱えているのです。不幸なことに、ある母親達はその母乳に危険ゾーンのレベルまで濃縮されてしまったのです。オランダの研究が示していることは、これこそが新しいタイプの疾患の原因であるという事実であり、これは遅発性新生児出血性疾患(Late Haemorrhagic Disease of the Newborn)と名付けられています。新生児にとって致命的な新しいタイプの出血性疾患です。新生児の出血性疾患には、出血を抑えるためにビタミンKの注射が普通なのですが、この新しいタイプの新生児疾患には、母体から高いレベルのPCBを貰ってしまっているため、ビタミンKの注射は効き目がありません。このレベルのPCBを4週間与えられると新生児には致死量です。20年もこのような有毒化学物質にさらされた中年女性の骨に何が起こっているか、誰にも分かりません。

 現代の医薬品も同様に複雑な化学的合成物です。重篤な血液凝固疾患の患者向けにウオーファリンのような抗血液凝固剤が登場したのは1950年代でした。抗ビタミンK剤として強力であり、従って、その継続投与はビタミンKの造骨機能に干渉し、骨を脆くします。

 抗生物質や緩下剤もどうような疑惑の対象とならざるを得ません。ビタミンKは少量ながら腸内バクテリアによって体内で作られます。従って、このようなバクテリアの活動を阻害するものは、すなわちビタミンK欠乏を招くと考えられます。緩下剤は50年代にもてはやされ、抗生物質は60年代と70年代に大量に用いられました。これらもビタミンK欠乏を基本原因とする骨の疾患の犯人と疑われています。

 このような近代の問題に対する答えは、昔の人々の用いた「薬」にあるのではないでしょうか? 例えば、コンフリーを引き合いに出しましょう。その伝統的な古い名前はニットボーン(Knitbone)と言い、「骨を編む」という意味で、昔から骨折などの場合に薬として用いられてきました。これはビタミンKの含有量が多いことで知られています。一方では、コンフリーは肝臓に悪い物質も含まれています。それなら、代わりにブロッコリはどうでしょう?これもビタミンKの含有が高いのです。ブロッコリの骨防御の効果はなかなか捨てがたいものがあります。しかし、その証拠としては、残念ながら状況証拠しかないと言わざるを得ません。

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