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身体を使えばリスクが減る?

 さて、実際の大腿骨頸部骨折が起こる頃までに、骨に強度を与えているカルシウムやマグネシウムなどのミネラル密度の半分程度はすでに失われてしまっているのです。そして、何も気がつかないうちに突然、この骨の無機成分の消失現象が予告なしに起こるのです。ちょっところんだだけで手首の骨折とか、脊椎骨あるいは大腿骨頸部の骨が脆くなっているのです。医師にできることは、この疾患の進行を遅らせることか、あるいは痛み止めを処方することしかないのです。しかし、昔の母親に比べて、この問題に悩まされる母親の数が最近では昔の2倍以上も増えているのは何故なのか、という問題の本質に迫らなければ本当の治療にはなりません。

 この点について、ロンドン在住のスチーブンソン博士(Dr.John Stevenson of Wynn Institute)によって大きな意味をもつ鍵が発見されました。2百年前に死亡した人の骨と現代人の骨との比較研究をしたのです。結論としては、現代人の骨は昔の人の骨よりもはるかに脆くなっているというものでした。その要因の一つは、現代人は座ったままの生活が多いという点です。確かに我々は御先祖様に比べてデスクワークが多くなり、歩くのも少なく、運動量もはるかに少なくなってしまっています。そのこと自体が骨に良い筈がありません。無重力状態の中で宇宙飛行士の骨に掛かる圧力がないために大量のカルシウムを失ったという事実はよく知られている通りです。そのため、骨そしょう症患者に対して、骨に圧力を加える目的で運動プログラムが与えられる場合もあります。しかしながら、この話はこれだけで終わりにはなりません。

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