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フラボノイドの2つ目のフレンチ・パラドックス

 ここまでは、主としてフラボノイドの抗酸化物質としての、予防・治療効果を見てきましたが、フラボノイドの面白さは、抗酸化物質としてのものだけに留まりません。フラボノイドが、目的は別として、効果を持つための条件は次の3つです。

 

1、 先ず、体内に吸収されなければ話になりません。

 

2、 目的とする部位に充分な量の集中がなければ、これも話になりません。           

                                    

3、 目的の部位に到着したとして、例えば、組織脂質のような、他の酸化可能な化合物との競争に打ち勝って、活性酸素を退治する能力がなければ話しに なりません。

 

 以上の3つの条件について、フラボノイドはすべて合格です。したがって、将来の予防栄養的アプローチの主役を演じると言っても過言ではないと筆者は思います。お役所の官僚的な認可を待っている必要もありません。往々にして官僚は大製薬会社の影響下にあるものです。どこの国でも製薬産業と官僚は「持ちつ持たれつ」の関係と考えてまず間違いはないようです。認可を待つだけ損をするのは常に国民、それもいわゆる一般大衆です。特に、今この瞬間に、膨大な数の科学者がフラボノイドの摂取と心臓病との関係につき、膨大な質と量を伴った証拠を提示しつつあるわけですから、官僚の「お墨付き」などはまったく不要なはずです。心臓病だけではなく、ガンについても同じ事なのを忘れては、自分の身体を守れません。

 この章の初めに述べたように、フラボノイドの仲間の数は膨大です。その膨大な数の中から、特に有望株を1つだけ挙げるなら、それはプロシニアジンとして知られる、フラボノイドの仲間の、松の樹皮から抽出したピクノジェノールです。これは、すでに多くの科学者によって臨床的に用いられて、目覚ましい成果を挙げています。しかも、効果もさることながら、その安全性については「折り紙付き」と言えます。従って、筆者としての第1の推奨株はプロシアニジンです。実は、ピクノジェノールは多くの果実や野菜にも含まれているのですが、普通人が食べるような果実ではなく、堅い皮、木質部、種子などに存在するのです。例えば、ブドウの種は、フラボノイドの豊かな宝庫ですが、ブドウを食べるときは吐き出すのが普通です。かりに飲み込んでも、種はそのまま身体を素通りするだけです。花梨(カリン)もフラボノイドが豊富ですが、生では渋みが強すぎます。かと言って調理のため加熱するとプロシアニジンが破壊されます。

 日常的食事からプロシニアジンを摂取しようとすれば、すでに述べた有名な「フレンチ・パラドックス」の赤ワインという事になります。このフランスの「矛盾」は、心臓病だけに関係するのではありません。実は、2つ目のフレンチ・パラドックスがあるのです。それは、同じ「酒飲み」でも、フランスではワイン飲みが多く、他の国はビールであったり、あるいはもっとアルコール度の高いスピリッツ(蒸留酒)であったりしますが、赤ワインを好むフランス人の平均寿命の方が他の「酒飲み」で有名な国より長いのです。大きな違いは、ワインは、ビールやスピリッツなどの他の酒類と比べてフラボノイドが含有されていることです。従って、同じ酒でも、他の酒なら肝硬変を起こす活性酸素ダメージが、ワインの場合は少ないものと思われます。フレンチ・パラドックスと言う場合、普通は心臓病を対象として言いますが、肝臓病についてのものが「2つ目のフレンチ・パラドックス」です。

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