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フラボノイドが不足すると何が起こるか?

 フラボノイドが欠乏すると何が起こるのでしょうか? 確かな臨床データはあまり多くありません。しかし、とにかく過去に用いられた治験例のすべてをチェックして、この疑問に答えるべく努力してみましょう。相当長いリストになりますが、文献を瞥見しただけで、フラボノイドには臨床的にも重要な性格があることが判ります。

 一口にフラボノイドと呼びますが、すべてが同じではありません。しかし、全体として幅広い抗菌性、抗真菌性、抗ウイルス性効果があることは前述の通りです。植物の側から考えれば、これらはすべて自己防衛のために植物が体内に作り出す化合物です。しかし、われわれにとって幸運なことに、植物の病原体に対する防衛的活性は、そのまま人間の病気を引き起こす微生物に対しても有効なことが多いのです。例えば、ある種のフラボノイドはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)のようなレトロウイルス(訳注八参照)の再生産を抑制する効果が高いのです。

 フラボノイドの仲間には、強力な抗酸化性、抗アレルギー性、抗ガン性、免疫強化性などを持ったものが数多く存在します。それだけでなく、炎症、骨と軟骨の吸収、血管の痙攣性収縮などの重要な病理的プロセスに関係する酵素を抑制するフラボノイドもあります。ヒスタミン(訳注九参照)や炎症伝達物質としてのリューコトリエンの分泌を、肥満細胞や免疫細胞によって抑えるものもあります。炎症を抑え、毛細管を強化し、細胞と体液の透過性を減少させ、抗体の血流への漏出を遅らせるなどの作用をするフラボノイドもあります。さらに大切な点ですが、フラボノイドの仲間には、例えばSOD(スパーオキサイドデイスミュターゼ)のように抗酸化酵素のレベルを高めると考えられるものもあります。

 このようなさまざまな有用性をまとめて要約すれば、フラボノイドの特徴は基本的には抗炎症性と言えましょう。従って、フラボノイド類に期待できることは、アレルギー症状、慢性的炎症つまり関節炎、喘息、冠状動脈疾患、アルツハイマー、糖尿性網膜症などを含むその他一連の変性疾患における「症状の緩和」にあることは明白であり、それを裏付ける治験例も数多く見られます。

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