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「第10章のまとめ」

1、骨粗しょう症を老人の病気と考えるのは大間違い。30代でも発生しており、未成年の発生例さえある。60代の女性では4人に1人(25%)、70代では2人に1人(50%)。また、普通は女性だけの問題と考えられることが多いが、実は男性にも多い。もっとも恐ろしいのが大腿骨頸部骨折。これはその後の寿命を縮める。骨粗しょう症の基本原因はライフスタイルによる。カルシウム摂取量の多いスエーデンで発症が多いのに対して、カルシウム摂取量が少ないアフリカ諸国で骨粗しょう症が少ないというミステリー。

 

2、骨は家計簿と同じ。収入と支出のバランスの問題。収入が支出を超えるのは一般的には35才まで。骨格全体は約10年で全て入れ替わる。1日の大半を座って過ごす現代人の骨は、2百年前の人の骨と比べてミネラル密度がはるかに低いことが確認されている。適度な運動が極めて重要。

 

3、昔の人と現代人の生活を比較すると、現代の生活にはリスク要因が山積。環境悪化もリスク要因の大きな1つ。ビタミンKは造骨にとって非常に大きな要因の1つであるが、現代の医薬品は複雑な化学的合成品であるため、ビタミンKの造骨機能に干渉する。Kは他の多くの病気にも有効。例えは、歯周病、関節リュウマチ、抗ガン等。しかし、血液の凝固を助けるので、使用にあたっては注意が必要であるが、多価不飽和脂肪酸、特にオメガ3と6を同時に摂取すれば安全。しかもこれらは骨損失を防止する。一般に、「骨」と言えばすぐカルシウムとなる。カルシウム摂取は重要ではあるが、その他の栄養状態が満足できる状態でなければ、摂取したカルシウムは骨に沈着せず、ただ尿中に排出されるだけで、まさに「高価な小便」になる。

 

4、ホルモンのエステロゲンは骨の損失を抑え、プロゲステロンは造骨を促進する。但し、ホルモン療法はエステロゲン補助だけなので、子宮ガン、乳ガンなどの増加リスクがある。プロゲステロンは自然の食品としても摂取可能。プロゲステロンは人体内で生合成されるものなので、本来が自然由来のものと言うべき。たまたまホルモンと呼ばれるために、その使用にあたり医師の処方(しかも化学合成したものを)が必要とされる現在の制度に筆者は批判的。

 

5、フラボノイド類の骨粗しょう症対策としての栄養的価値は高く評価すべき。また、ミネラル類は骨の建築材料として必須。ただし、他の栄養的条件が満足に整っていないと、これらは「有効利用されないただの材料」になってしまう。他の条件とは、カルシウムの「定期預金」に加えて、適量なマグネシウム、微量のホウ素とモリブデン等。

 

6、アルミニウムは骨にとって悪玉であるだけでなく、次章のアルツハイマー病にも悪役として登場する。現代の人間生活にとってこれほどなじみ深い物質が、他方で、健康にとってこれほどの悪役を演じているのは正に驚き。アルミ製の鍋類は避ける方が賢明か?

 

訳注11:PCB。ポリ塩化ビフェニール。電気の絶縁に用いる化学合成物質。

     その毒性の強さから現在は製造・販売が禁止されている。

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