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フラボノイド;効果は証明済み

 1970年代の初めにさかのぼりますが、ネズミ、鶏、羊など広範囲の動物に対してフラボノイドが骨カルシウム総量を増加させることがわかりました。この事実を発見した科学者達は、フラボノイドが抗骨祖しょう症薬として有効と考え、各種の動物実験を行い、大きな成果を得ました。

 こうした研究の結果として、イタリア、ハンガリー、日本(イプリフラボン製剤として)などの国では、フラボノイドは抗骨粗祖しょう症薬として認可を受けています。イギリスやアメリカではフラボノイドはまだ認可されていません。

 実際には、フラボノイドの研究は相当進んでいると筆者は考えます。例えば、すでに、分かっているのは、消化管内部での吸収は早く、血管内に取り入れられ、肝臓内で7つの代謝物に分解されます。これら7つの代謝物は全て同定され、その性格も把握されています。フラボノイドにより形成が促進される新しい骨の内部にも何らの異常も発見されていません。もちろん、副作用も発見されていません。ただし、腎臓障害の患者の場合だけは注意が必要です。理論的には、体内にフラボノイド堆積が考えられるからです。

 フラボノイドの骨形成に係わる多角的効果も相当程度のコンセンサスが出来てきています。フラボノイドがエストロゲン効果それ自身を持っているわけではありませんが、骨吸収を防ぐというエストロゲン効果を強化する働きはあります。しかし、フラボノイドは骨吸収を阻害するだけではなく、骨を吸収する破骨細胞の成熟を遅延させ、また、骨を薄くする副甲状腺ホルモンに対する破骨細胞の反応を阻害します。同時に、フラボノイドは骨の形成の役目をする骨芽細胞の成熟を促進します。この骨芽細胞の成熟促進効果は、一般に考えられているようにエストロゲン類似というよりは、むしろプロゲステロン類似と言うべきと思われます。

 こうしたフラボノイドの骨粗しょう症に対する治療効果が、動物はもちろん、人間の場合にも顕著に現れるのは驚くには当たりません。骨増量測定と安全限界測定方式で日本で行われた用量反応研究によれば、骨粗しょう症の治療を目的とした場合のフラボノイドの経口投与上限は、1日600ミリグラムでした。他の例で、1200ミリグラム投与の例も見られたましたが、問題は報告されていません。全体としてのフラボノイドの評価は、純粋に生理的見地から見て、骨吸収を抑制し、骨形成を促進するものと言って良いと考えます。骨量の低下した閉経後の女性について使用した研究では、フラボノイドはおよそ12ケ月でとう骨のミネラル濃度が増加し、痛みも減少したと報告されています。 男女を問わず多発性骨折の原因となる遺伝的な骨形成不全症のケースでさえもフラボノイドの効果が報告されています。

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