Home/目次/next page

プロゲステロンのレベル低下が骨粗しょう症を招く

 一方、プロゲステロンの場合は、ひとたび減り始めたらゼロにまで落ちます。驚くべき点はそのタイミングです。これは閉経の1年かそこら前に減り始めるのですが、そのスタートがカルシウム損失が開始するのと時を同じくしてプロゲステロンの減少が始まるということです。

 プロゲステロンは、月経期の後半に、黄体によって生産されるのですが、その黄体は卵子が卵管を通って子宮に向かうべく放出された後に卵巣に残される一群の細胞なのです。このプロセスは(これによって排卵するのですが)非常に複雑であるために、逆に簡単に妨害にも遭います。卵子が放出されなければ、黄体も形成されません。従って、プロゲステロンも生産されないのです。

 もし過度の運動と減量によって排卵が妨害され、いわゆる無排卵サイクルになれば、エストロゲンのレベルは正常でありながらプロゲステロンはほとんどゼロ近くまで低下します。若い女性の運動選手を対象とした最近の研究では、エストロゲンのレベルが正常であるにも拘わらず、無排卵、かつプロゲステロンのレベルが低く、生化学的観点からすれば骨粗しょう症になりつつあるケースが増加しているようです。

 これらの新しい発見が多くの研究者を刺激し、性ホルモンについて新しい見方が輩出しました。中には驚くべきものもあり、また潜在的危険に対する警告と思われるものもありました。先ず、エストロゲンが骨の浸食(吸収)の進行度合いを減らしはするが、それに見合っただけ骨形成を減らす働きもする、という研究があります。つまり、プラス・マイナスがゼロというわけです。次には、骨損失の速度を一時的に遅らせるだけという研究があります。エストロゲンの働きの研究として極め付きなのは、その働きはただ単に骨代謝に関係して破骨細胞(これが骨の吸収を行う細胞なのですが)の働きを遅くするだけ、というものもあります。

Home/目次/top of page/next page