Home/目次/next page

ホルモン療法の二面性

 閉経後にカルシウム損失は加速されます。長い間、医師達は閉経後に女性ホルモンのエストロゲンが減少するからであると考えてきました。一見して妥当なこの見解のため、ホルモン療法が行われてきたわけですが、その後に発見された説では、ホルモン療法には乳ガンと子宮ガンを増加させる可能性があるとのことで、これにプロゲステロン(黄体ホルモン)を追加してホルモン交換療法(HRT)と呼ばれることになりました。

 ホルモン療法はまったく悪いことだらけというわけではありません。この療法を受けた女性と受けない女性の寿命を比較すれば、受けた女性の方が平均して3年から4年は長生きするということになります。従って、これもある程度までは骨折のリスクを減らすとは言えましょう。ただし、残念ながら、ホルモン療法は、他の色々な問題や副作用の問題もあるのです。だから、女性なら誰にとってもお勧めというわけではありません。 確かにしばらくは骨粗しょう症による骨折のリスク減少にはなりますが、だからと言って、その原因が確かにエストロゲンが原因だと確認されている場合以外は、その予防につながりません。この事実は知られてから日が浅いので、あらゆる医師がすでに知悉しているとは限りません。ホルモン療法を長く続けている老齢の女性について最近明らかになった例では、エストロゲンを全く投与されていなかった女性と比べて、必ずしも結果が好転したと言えない例もあるのです。

 この矛盾はどうして起こるのでしょうか? 最近明らかになったところでは、どうやら、大切なのはエストロゲンそのものではなく、その他の性ホルモン、つまりプロゲステロン鍵があるようです。考えれば考えるほど、最初の論理、つまりエストロゲンだけに頼るのは怪しくなってきます。確かに閉経後は、妊娠に備えて子宮の内壁の準備に必要とされるレベル以下にまでエストロゲンの分泌量は減ります。でもゼロにはなりません。副腎、肝臓、脂肪組織などはエストロゲンを作り続けます。肥った女性の場合には、特に脂肪組織がエストロゲンのレベルを高く維持し、それが部分的ではありますが、骨粗しょう症から守るのです。

Home/目次/top of page/next page