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無責任な人体実験?結果が分かるのは来世紀?

 これまで述べたすべての新しい要因にくわえて、いくつかの環境汚染物質についてアメリカ化学学会が最近発表したところでは、合成された新しい化学物質は一〇〇〇万種に及び、それらの多くがやがて食物連鎖の輪の中に侵入してくる可能性があるとはっきり認めています。筆者が言うところの「実験計画のモルモット」というのはまさにこの意味なのです。当然ながら、科学的な意味での実験ではありません。きちんと管理された実験ではなく、実験計画の責任者がいるわけでもありません。統計学者と疫学者を別にすれば、まったくだれも最終結果を見守る人間がいないという、まことに無責任きわまりない実験です。入手可能な限られた情報が示すところでは、将来に現れてくる健康上の問題の種をまいているとさえ言えるのかも知れません。原因がよく分からない非伝染性の変性疾患が急激に増加するような事態を見ることになるのかも知れません。レイチェル・カーソン著「沈黙の春」(邦訳は新潮社文庫にあり)は、すでに三十年も前にこの問題について鋭い警告を発しています。また、もっと最近では、シーア・コルボーン他による「奪われし未来」(邦訳ー翔泳社刊)でも環境ホルモンの危険性が指摘されています。

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