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現代人はすべてモルモット?

 筆者がなぜこの点についてしつこく言っているのか、その理由はとても簡単です。つまり、現代社会でわれわれはすべて「モルモット」と言えるからです。ある意味では、無計画でありながらも壮大な、食品の安全実験計画(むしろ不安全確認計画と呼ぶべき)に組み込まれてしまっているようなものだからです。しかも、その実験の「結果」については、それなりの時間が経った後世になってみなければ誰にもわからないのです。大昔の狩猟採食時代に生活した先祖の生活条件に適するように、遺伝子的に設計されているわれわれの身体の代謝システムが、食習慣とライフスタイルがまったく変化してしまった現代人にもやはり引き継がれています。このような食生活の変化は、特に第二次世界大戦後は急速に進みました。世界的規模の加工食品業者が出現した結果、商業的な付加価値は高いが微量栄養素の欠けた加工食品が巷に氾濫しています。保存料、安定剤、乳化剤などなど、栄養的見地から見た場合に、いずれも「ヒト」にとって未経験の新素材が開発されています。これらはいずれも心臓疾患やガンとの関連がとりざたされています。病虫害への対策として、あるいは収穫量の増加を目的として、遺伝子工学的に品種改良された新種の農作物も、食品としての歴史は決して古いとは言えません。「時の試練」に耐えてきたという意味での安全性には大きな問題を含んでいます。

 農業関係者の観点からすれば、このような新品種の性格は望ましいものであることはわかります。しかし、この病害に強いという性格は、これらの新品種がもともと持っていた生体防御のための化学物質、つまり殺菌力の生産量を増加させることによって生まれるものです。変異原物質や発ガン性物質に関する国際的なテスト方法、エームス・テストの開発者であるカリフォルニア大学のブルース・エームス教授は、この潜在的危険性についての厳しい警告を発しており、このように品種改良された農作物の長期毒性テストが行われていないことを鋭く指摘しています。

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